産業廃棄物の処分費はどの勘定科目で処理すればいいですか?
一般的には「雑費」「支払手数料」「廃棄物処理費」などで処理し、毎期同じ科目を使い続けることが大切です。原状回復や固定資産の除却に伴う費用は扱いが変わることがあるため、税理士に確認してください。
よく使われる勘定科目
要点: 法律で決まった科目はありません。会社の規模や処分の頻度に合わせて選び、毎期同じ科目を使います。
| 科目 | 向いているケース |
|---|---|
| 雑費 | 年に数回、金額が小さい |
| 支払手数料 | 業者への委託料として扱う方針の会社 |
| 廃棄物処理費(独自科目) | 製造業・建設業など、毎月まとまった金額が出る |
| 外注費・製造原価 | 生産工程から出る廃棄物で、原価に含める方針の場合 |
処分費が大きい業種では、独自科目を作ると前年との比較や業者の見直しがしやすくなります。詳しくは用語集の勘定科目も参照してください。
請求書の内訳ごとに分けるか
見積書や請求書には、運搬費・処分費・処分税・マニフェスト費などが並びます。
- 通常はまとめて同じ科目で処理して問題ありません。
- 産業廃棄物税(処分税)の負担のしかたは県によって違います。処分業者が排出事業者などから税を預かって納める方式(特別徴収)があります。このほか、中間処理業者が負担した税を「税相当額」として処理料金に上乗せする場合や、排出事業者が自分で申告して納める方式(三重県など)もあります。租税公課に分けるか処分費に含めるかは、税理士と相談して方針を決めてください。申告納付方式の場合、税は申告した日の属する事業年度の損金になります(三重県のQ&A)。
- 処分費・収集運搬費は、対価を払って業者から受けるサービスなので、消費税の課税対象です。
- 中間処理業者が負担した産業廃棄物税を「税相当額」として処理料金に上乗せして請求される場合、その分も処理料金の一部として消費税の課税対象になります(福岡県の案内)。排出事業者自身が納税義務者になる場合(最終処分場などへ直接搬入する場合や、申告納付方式の県)の消費税の扱いは、県の案内で確かめるか、税理士に相談してください。
原状回復・除却に伴う費用の扱い
次のようなケースは、単純な経費にならないことがあります。
- 賃貸物件の退去時の原状回復工事に含まれる処分費
- 機械・設備などの固定資産を廃棄するときの撤去費・処分費(固定資産除却損との関係)
- 建物の取り壊しや新築に伴う解体費用(取得価額に含めるかどうかの判断)
法人税の通達で扱いが決まっているものもあります。たとえば、土地を建物つきで取得し、取得後おおむね1年以内に取壊しに着手するなど、当初から建物を取り壊して土地を使う目的が明らかな場合です。このときは、建物の帳簿価額と取壊費用(廃材の売却額は差し引く)を土地の取得価額に入れます(法人税基本通達7-3-6)。一方、自社のまだ使える建物を取り壊して建て替える場合は、取り壊す直前の帳簿価額(取り壊した時点の廃材などの見積額は除く)を、取り壊した事業年度の損金にします(同7-7-1)。
上記以外のケースも含め、会計・税務の判断が絡むので、顧問の税理士に確認してください。このページは一般的な考え方を紹介するもので、税務上の判断を示すものではありません。
なお、工事に伴う廃棄物の費用を誰が負担するかはリフォーム・解体の産廃は誰が払う?で説明しています。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 国税庁 法人税基本通達7-3-6www.nta.go.jp
- 国税庁 法人税基本通達7-7-1www.nta.go.jp
- 三重県 産業廃棄物税Q&A(損金の扱い)www.pref.mie.lg.jp
- 福岡県 産業廃棄物税(特別徴収・税相当額と消費税)www.pref.fukuoka.lg.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
このページに出てくる用語
- 産廃処分費の勘定科目
- 法令で決まった科目はない。「雑費」「支払手数料」や独自の「廃棄物処理費」などが使われる。社内で毎期同じ科目にそろえる。