産業廃棄物の委託契約書は必要ですか?何を書けばいいですか?
結論
必要です。排出事業者が、収集運搬業者・処分業者のそれぞれと直接、書面で契約します。契約書には許可証の写しを添付し、契約終了後5年間保存します。
契約の基本ルール
要点: 口約束や見積書・請求書だけでは足りません。委託契約は次の形で結びます。
- 書面で結ぶ(電子契約も可)
- 二者間契約: 排出事業者と収集運搬業者、排出事業者と処分業者の間で、それぞれ直接結ぶ。処分業者との契約を収集運搬業者に任せる形は認められない。建設工事では元請業者が排出事業者なので、下請業者が自分の名前で処理を委託する形も避ける
- 同じ会社が収集運搬と処分の両方を行う場合は、1通にまとめてよい
- 委託する前に結ぶ(回収当日に署名するのでは遅い)
- 契約終了の日から 5年間保存
主な記載事項
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 廃棄物 | 種類と数量(月あたりなどの見込みで可) |
| 期間 | 委託契約の有効期間 |
| 運搬 | 運搬の最終目的地の所在地。積替え保管を行う場合は、その場所と保管上限 |
| 処分 | 処分の場所・方法・処理能力、最終処分の場所・方法・処理能力 |
| 料金 | 受託者に支払う料金 |
| 許可 | 受託者の許可の範囲(業の区分・品目) |
| 情報提供 | 廃棄物の性状・荷姿、腐敗・揮発などの性状の変化、混ざることで支障が生じる場合など |
| 含有物の表示 | 石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品産業廃棄物などが含まれる場合はその旨 |
| 化学物質(2026年1月〜) | 排出事業者が化管法(PRTR)の届出対象事業者で、対象の第一種指定化学物質が廃棄物に含まれる・付着している場合は、その旨と、物質の名称および量または割合。施行前に結んだ契約は、更新までは従前どおりでよい |
| 終了時の報告 | 受託した業務が終わったときに、受託者から委託者へ行う報告 |
| 変更・終了 | 性状が変わったときの情報の伝え方、契約解除時の未処理廃棄物の扱い |
受託者の許可証の写し(品目・区域が分かるもの)を添付します。許可が更新されたら、新しい写しに差し替えます。
印紙は必要か
紙で作る契約書には印紙税がかかります。電子契約(電磁的記録)は印紙税の課税対象になりません(大阪市の産業廃棄物Q&AのQ42)。
- 収集運搬の契約書は「運送に関する契約書」(第1号の4文書)、処分の契約書は「請負に関する契約書」(第2号文書)として扱われます。どちらも、契約金額に応じた額の印紙を貼ります。単価と数量から金額を計算できる場合は、その金額が契約金額になります。
- 継続して委託する基本契約で、契約金額の記載がなく計算もできないものは「継続的取引の基本となる契約書」(第7号文書)に当たり、印紙税は1通4,000円です(契約期間が3か月以内で、更新の定めがないものを除く)。
- どの文書に当たるかは、契約書の書き方で変わります。迷う場合は税務署に確認してください。
よくある不備
- 許可証の有効期限が切れたまま
- 実際に出している品目が許可品目・契約品目に入っていない
- 料金欄が空欄、または「別途見積り」だけ
- 収集運搬の許可が、積み込む側の都道府県の分しかない
契約書のひな形は、業界団体などが公開しているものを使うと記載漏れを防げます。細かな内容は、自治体の手引きでもご確認ください。契約した後の管理はマニフェストで行います。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法施行令6条の2(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行規則8条の4〜8条の4の3(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 仙台市 委託契約書の項目変更(化管法の第一種指定化学物質)www.city.sendai.jp
- 国税庁 タックスアンサーNo.7104継続的取引の基本となる契約書www.nta.go.jp
- 国税庁 タックスアンサーNo.7140印紙税額の一覧表www.nta.go.jp
- 国税庁 質疑応答事例 産業廃棄物処分に係る覚書www.nta.go.jp
- 大阪市 産業廃棄物に関するよくある質問(Q42)www.city.osaka.lg.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
このページに出てくる用語
- 委託契約書
- 処理を委託する前に、収集運搬業者・処分業者それぞれと書面で結ぶ契約。