マニフェストが要らないのはどんなときですか?(専ら物・広域認定など)
自社で運搬・処分するとき、古紙・くず鉄・あきびん類・古繊維(専ら物)を専門の回収業者に出すとき、広域認定や再生利用認定を受けた者にその範囲で出すときなどです。マニフェストが要らなくても、委託するなら書面の契約は必要です。
要点: マニフェストは、産業廃棄物の運搬や処分を他人に委託するときに交付するものです(廃棄物処理法12条の3第1項)。委託しないときや、施行規則8条の19が定める相手に委託するときは、交付は要りません。
そもそも交付しなくてよい場合
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 自社の車で運び、自社で処分する | 委託していないため。京都市も、委託契約・マニフェストとも不要と案内しています |
| 売れる物として売却する | 有価物は廃棄物ではないため。ただし運賃を差し引くと持ち出しになる逆有償は、廃棄物と判断されることがあります |
| 事業系一般廃棄物を出す | マニフェストは産業廃棄物の制度です(産廃と一般廃棄物の違い) |
なお、運搬は自社で行い、処分だけを業者に委託するときは、その処分業者にマニフェストを交付します(法12条の3第1項)。
施行規則8条の19で不要になる委託先
排出事業者がよく関わるのは、次の4つです。
| 委託先 | 内容 |
|---|---|
| 専ら物の回収業者(3号) | 古紙、くず鉄(古銅などを含む)、あきびん類、古繊維の4品目を、再生利用のために回収・処理する業者に、この4品目だけを委託する場合。ほかの廃棄物を主に扱う業者でも、この4品目の部分は同じ扱いです(2023年2月の環境省通知) |
| 広域認定を受けた者(5号) | 製品のメーカーなどが環境大臣の認定を受け、自社製品の廃棄物を広域に回収する仕組み。認定の範囲の廃棄物を出す場合 |
| 再生利用認定を受けた者(4号) | 環境大臣の認定を受けた再生利用。ただし、資源として使える金属についての認定は除かれます |
| 再生利用指定を受けた者(6・7号) | 都道府県知事などが、再生利用が確実と認めて指定した業者。指定された廃棄物だけを委託する場合 |
このほか、市町村・都道府県が事務として産業廃棄物を処理する場合、国が業務として処理する場合、再資源化事業等高度化法や資源有効利用促進法の認定を受けた者にその範囲で出す場合なども、8条の19に定められています。
身近な例は、消火器・事業用パソコン・小型充電式電池のメーカー回収です。広域認定のルートで出すときの注意点は、消火器・パソコン・OA機器・廃バッテリーの各ページにまとめています。広域認定の一覧は、環境省の「産業廃棄物広域認定制度の認定状況」で確かめられます。
専ら物で気をつけること
専ら物は、法律の施行に合わせた1971年(昭和46年)の厚生省通知で「古紙、くず鉄(古銅等を含む)、あきびん類、古繊維」とされた4品目です。紙くずや金属くずのうち、こうした形で再生利用に回るものが該当します。
- 専ら物も廃棄物です。 環境省は、専ら物は有価物ではなく、廃棄物のまま例外として処理業の許可が要らない扱いだと説明しています。
- 再生されないなら許可が要ります。 4品目でも、再生利用されないと認められる場合は、許可業者に委託する必要があります(2023年2月の環境省通知)。
- ほかの廃棄物を主に扱う業者でも、専ら物の部分は許可が要りません(2023年2月の環境省通知)。ただし神奈川県は、専ら物とそれ以外が混ざらないようにする措置がない場合(そのおそれがある場合を含む)は、専ら物の部分にも許可が要るとしています。
- 対象は4品目のままです。 環境省は、2023年2月の通知にPETボトルや資源プラスチックなどを専ら物と同じ扱いにする記載はないと説明しています。
- 専ら物以外と一緒に出すときは、その部分に通常どおり許可業者とマニフェストが必要です。
要らなくても、契約は要る
マニフェストが不要でも、他人に委託するなら委託基準がかかります。施行令6条の2は委託契約を書面で結ぶことを求めていて、委託先による例外はありません。神奈川県と千葉市も、専ら物はマニフェストが不要でも契約書は必要、と案内しています。契約書に書く内容は委託契約書は必要かをご覧ください。
もう1つ大切なのは、相手が本当にその仕組みの対象者かを確かめることです。広域認定・再生利用認定・指定には番号と対象の廃棄物があります。範囲外の物を出せば、マニフェストが必要な通常の委託になります。
迷ったとき
マニフェストを交付しないと決める前に、委託先から認定証や指定書の写しをもらい、対象の廃棄物と範囲を確かめてください。判断に迷うときは、自治体への相談をおすすめします。交付した分は、年1回の交付等状況報告書の対象になります。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法12条・12条の3・14条・15条の4の2・15条の4の3(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行令6条の2(委託の基準)(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行規則8条の19(管理票の交付を要しない場合)(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 環境省 専ら再生利用の目的となる廃棄物の取扱いについて(令和5年2月3日通知)www.env.go.jp
- 環境省 同通知についての事務連絡(令和5年4月10日)www.env.go.jp
- 環境省 同通知に関する報道について(令和5年2月28日)www.env.go.jp
- 環境省 広域認定制度関連www.env.go.jp
- 神奈川県 専ら再生利用の目的となる産業廃棄物の取扱いについてwww.pref.kanagawa.jp
- 京都市 産廃Q&A 5-2-3(自ら処理する場合)sanpai.city.kyoto.lg.jp
- 千葉市 専ら物の取扱いについてwww.city.chiba.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
関連する品目
このページに出てくる用語
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)
- 産業廃棄物の処理を委託するとき、排出事業者が交付し、処理の流れを確かめるための伝票。
- 有価物
- 自分で使えるか、他人に有償で売れる物。廃棄物かどうかは売買の形だけでなく総合的に判断される。
- 逆有償
- 売却額より運搬費のほうが高く、排出側が持ち出しになる状態。廃棄物と判断されることがある。
- 専ら物
- 古紙・くず鉄(古銅等を含む)・あきびん類・古繊維の4品目。再生利用のためにこれらを扱う業者は、その部分について処理業の許可が要らず(ほかの廃棄物を主に扱う業者でも同じ。2023年2月の環境省通知)、委託するときもマニフェストは要らない(契約書は必要)。
- 広域認定
- メーカーなどが使用済みの自社製品を広域に回収・処理する仕組みを、環境大臣が認定する制度。認定の範囲なら自治体ごとの許可がいらず、マニフェストも不要。
- 委託基準
- 排出事業者が産廃の処理を他人に委託するときに守る決まり。許可のある業者を選ぶ、書面で契約する、契約書を5年保存する、など。