逆有償とは
読み: ぎゃくゆうしょう
売却額より運搬費のほうが高く、排出側が持ち出しになる状態。廃棄物と判断されることがある。
どういうものか
物自体は有償で売れるものの、運搬費を差し引くと排出事業者側に経済的な損失が出る状態です。環境省の「行政処分の指針」は、取引価値を判断するとき、譲渡価格が運送費などの諸経費を考えても双方にとって合理的な額であるかを確かめるとしています。そのため、逆有償だと廃棄物と判断されることがあります。
環境省の規制改革通知(平成17年3月25日、平成25年3月29日改正)は、産業廃棄物を、再生利用やエネルギー源として利用するために有償で譲り受ける者へ引き渡す場合の考え方を示しています。この場合、輸送費が売却代金を上回っても、譲り受けた者が占有者になった時点以降は、廃棄物に当たらないと判断して差し支えないとしています。譲り受ける者が自分で引き取りに来る場合、その時点は引渡しを受けた時点です(同通知のQ&A Q12)。ただし同通知は、有償譲渡を装った脱法的な行為を防ぐため、譲り受ける者の再生利用が事業として確立・継続していて売却実績があることや、譲渡先を選んだことに合理的な理由があることなどを、総合して確かめるよう求めています。
引き渡すまでの運搬について、同じQ&Aは、譲り受ける者が占有者になるまでは廃棄物処理法の規制を適用する必要があるとしています(Q9)。そのうえで、輸送費が売却代金を上回るというだけで、ただちに廃棄物とはせず、物の性状や取引の実態を総合して判断するという考え方です(Q11)。大阪市のように、運賃による逆有償は廃棄物に当たると案内している自治体もあります。
廃棄物と判断されれば、引き渡すまでの運搬は産業廃棄物の収集運搬になり、許可業者への委託・契約書・マニフェストが必要です。大阪市は、引取側に着いた時点で廃棄物でなくなる場合、マニフェストの最終処分の場所は引取側の再生施設の所在地とし、C票以下は使わなくてよい(A・B1・B2票だけを使う)と案内しています。判断は自治体が行うので、事前に確認してください。
いつ出てくるか
金属くずなどを売るつもりが、運賃のほうが高くなるときに出てきます。
排出事業者がやること
- 売却代金と運賃の差し引きを、取引ごとに記録する
- 引き渡すまでの運搬を許可業者に委託する必要があるか、自治体に確かめる
あわせて読みたいページ
根拠にした資料
- 環境省「行政処分の指針について」(令和3年4月14日 環循規発第2104141号)第1の4(2)
- 環境省 規制改革通知(平成17年3月25日 環廃産発第050325002号、平成25年3月29日改正)
- 環境省「規制改革通知に関するQ&A集」(平成25年6月28日改正)Q9・Q11・Q12
- 大阪市「産業廃棄物に関するよくある質問」
法令の記述は、廃棄物処理法・同施行令・同施行規則と、環境省・自治体の公開資料をもとにしています。運用は自治体によって異なることがあるため、個別の判断は所管の自治体にご確認ください。