委託した業者が不法投棄したら、排出事業者はどうなりますか?
結論
委託基準違反、マニフェストの不備、相場より極端に安い料金での委託など、排出事業者の側に問題があれば、原状回復の措置命令を受けることがあります。適正に委託していた場合でも、責任を問われることがあります。
排出事業者責任とは
要点: 廃棄物処理法では、事業活動から出た廃棄物は、排出事業者が自らの責任で適正に処理するのが原則です。業者に委託しても、その責任はなくなりません。
不法投棄が起きると、自治体は投棄した業者だけでなく、次に当てはまる排出事業者にも原状回復(撤去など)の措置命令を出すことがあります。
| 措置命令の対象になりうる場合 | 例 |
|---|---|
| 委託基準に違反していた | 無許可業者への委託、書面の委託契約がない、許可品目外の委託 |
| マニフェストの義務を守っていなかった | 交付していない、虚偽の記載がある、返送されないのに放置している |
上の2つに当たらず、契約やマニフェストの義務を守っていた排出事業者でも、生活環境に支障が生じるおそれがあり、次の両方に当てはまる場合は、支障の除去などを命じられることがあります(法19条の6)。
- 不法投棄した処理業者に資力がないなど、業者だけでは原状回復が難しいとき
- 排出事業者が適正な処理の対価を払っていない(相場より極端に安い)とき、不法投棄を知っていた・知ることができたとき、そのほか処理状況の確認(法12条7項)の趣旨に照らして、排出事業者に措置をとらせるのが適当なとき
罰則
- 不法投棄: 5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方。法人には3億円以下の罰金(法人重課)。
- 無許可業者への委託: 5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方。法人にも1,000万円以下の罰金が科されます(3億円の法人重課は、不法投棄などが対象です)。
- 委託基準違反(書面の契約がない、記載事項や許可証の写しが欠けている、許可品目外の委託など): 3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金、またはその両方。
- マニフェストの不交付・虚偽記載・保存義務違反: 1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金。
- 措置命令に従わない: 5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方。
罰則のほかにも、社名の公表や取引先からの信用の低下など、影響は小さくありません。
巻き込まれないために
- 許可証を確認してから委託する(許可証のどこを見るか)
- 書面の委託契約を結び、マニフェストを交付して返送を確認する
- 極端に安い見積りを選ばない
- 処理状況を確認し、記録を残す(実地確認は義務か)
不法投棄が疑われるときは、速やかに自治体の担当窓口に相談してください。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法3条・12条・19条の5・19条の6・25条〜27条の2・32条(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 環境省 行政処分の指針について(令和3年4月14日 環循規発第2104141号)www.env.go.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
このページに出てくる用語
- 不法投棄の罰則
- 個人は5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方。法人は3億円以下の罰金。