産廃業者から値上げや「処理困難」の通知が来たら、どうすればいいですか?
値上げは契約上の料金の変更なので、内訳を確認し、合意する場合は書面で契約を変更します。処理困難通知は法律で定められた書面です。受け取ったら処理の状況を確認して措置を取り(新しい引渡しを止めるなど)、写しが返っていない分は30日以内に措置内容等報告書を出します。
要点: 値上げの知らせは契約上の料金の問題で、法律で様式や期限が決まっている通知ではありません。一方、処理困難通知は廃棄物処理法で定められた書面で、受け取った排出事業者には対応する義務があります。まず、届いた通知がどちらなのかを見分けてください。
2つの通知の違い
- 値上げの知らせ: 業者が料金の改定を申し出るものです。料金は契約書に必ず記載する事項なので、合意する場合は書面で契約を変更します。
- 処理困難通知: 施設の事故、廃止・休止、埋立の終了、事業停止命令などにより、受託した廃棄物を適正に処理できない、またはそのおそれがあるときに業者が出す書面です(法14条13項)。受け取ったら処理の状況を把握して措置を取り、必要なら30日以内に報告します。
値上げの知らせが来たとき
委託者が受託者に支払う料金は、契約書に必ず記載する事項です(施行令6条の2第4号ヘ、施行規則8条の4の2第2号)。値上げに合意する場合は、書面で契約を変更します。京都市は、軽微な変更なら変更内容を書面にして双方が記名し、契約書に添付するよう案内しています。大きな変更の場合は、契約を結び直すよう案内しています。料金の変更がどちらに当たるかは、自治体に確認してください。
合意する前に、次の点を業者に確認しましょう。
- 収集運搬費と処分費のどちらが、いくら上がるのか
- 単価・最低料金・車両費など、どの項目が変わるのか(品目ごとの単価の目安は、たとえば廃プラスチック類のページにまとめています)
- いつの引渡し分から新しい料金になるのか
量を減らす、分けて出すなどの工夫で、費用を抑えられることもあります(分別すると処分費はどれくらい下がるか)。単価の目安は費用シミュレーターと、見積りの単位の比べ方を参考にしてください。
安すぎる業者に乗り換えるのは危険です。 環境省のチェックリストは、地域の一般的な処理料金の半値程度かそれを下回る料金で委託し、その理由を示せない排出事業者は、適正な対価を負担していないとしています。この場合、委託先が不適正に処理すると、排出事業者も措置命令の対象になることがあります(法19条の6)。乗り換えるときは産廃業者を切り替える手順をご覧ください。
処理困難通知が来たとき
処理困難通知は、施行規則10条の6の2が定める7つの事由のどれかが生じた日から10日以内に、書面で届きます(施行規則10条の6の3)。書面には、業者の名称と、事由が生じた日と内容が書かれています。業者は写しを5年保存します(施行規則10条の6の4)。事業の廃止や許可の取消しのときも、同じように書面で知らせが来ます(法14条の2第4項、14条の3の2第3項)。
受け取ったら、速やかに処理の状況を把握し、適切な措置を取ります(法12条の3第8項)。具体的には次のとおりです。
- 新しい引渡しを止める。 環境省のチェックリストは、業者が処理を適切に行えるようになるまで、新たに委託しないことを例に挙げています。
- 引き渡した分の状況を把握する。 その業者に引き渡した分のマニフェストの写しが返っているかを確認し、返っていない分は業者に処理の状況を問い合わせます。
- 報告する。 その業者に引き渡した分のB2票(運搬終了)やD票(処分終了)の写しがまだ届いていないときは、通知を受けた日から30日以内に措置内容等報告書を都道府県知事(政令市などは市長)に出します(施行規則8条の29、様式第4号)。電子マニフェストでは様式第5号です(施行規則8条の38)。
- 委託先を替える。 廃棄物が処分されずに放置されているときは、契約を解除してほかの処分業者に委託することも、チェックリストに挙げられた措置の一つです。
その間に自社に廃棄物がたまる場合は、保管の基準を守って保管してください(保管の決まり)。届いた通知は対応の記録と一緒に残しておくと、報告書を書くときに役立ちます。事業停止などの行政処分が理由のときは、委託先が行政処分を受けたらもあわせてご覧ください。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法12条の3・14条・14条の2・14条の3の2・19条の6(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行令6条の2(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行規則8条の4の2・8条の29・8条の38・10条の6の2・10条の6の3・10条の6の4(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 環境省 排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト(令和5年3月一部改訂)www.env.go.jp
- 京都市 産廃Q&A 5-1-3(契約内容の変更)sanpai.city.kyoto.lg.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
関連する品目
このページに出てくる用語
- 処理困難通知
- 処理業者が、受託した産廃を適正に処理できなくなった、またはそのおそれがあるときに、委託した排出事業者へ10日以内に出す書面。
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)
- 産業廃棄物の処理を委託するとき、排出事業者が交付し、処理の流れを確かめるための伝票。
- 措置内容等報告書
- マニフェストの写しが期限までに戻らない、写しに記載漏れや虚偽がある、処理困難通知や許可取消しの通知を受けたのに写しが戻っていない。こうしたときに排出事業者が30日以内に出す報告書。
- 保管基準
- 排出事業者が敷地内で産廃を保管するときの、囲い・掲示板・飛散防止などの決まり。