自社のトラックで産廃を処分場に運ぶとき、どんな決まりがありますか?
自社の産業廃棄物を自社の車で運ぶなら、収集運搬業の許可は要りません。ただし、車体の両側面の表示、運ぶ物を書いた書面の備え付け、飛び散らない積み方などの基準を守る必要があります。持ち込む先の処分業者とは書面で契約を結び、処分業者にマニフェストを交付します。
要点: 自社の産業廃棄物を自社で運ぶなら、収集運搬業の許可は要りません(法14条1項ただし書)。ただし、運搬の基準は自社にも適用されます。持ち込む先の処分業者とは書面で契約を結び、マニフェストを処分業者に交付します。
許可が要らない「自ら運搬」の範囲
収集運搬業の許可が要らないのは、事業者が自らその産業廃棄物を運ぶ場合です(法14条1項ただし書)。この形を自ら運搬といいます。
次のような場合は「自社で運ぶ」に当たりません。
- 運送会社など他社に運んでもらう。 運搬の委託になり、その会社には収集運搬業の許可が要ります(大阪市Q3)。
- グループ会社に運んでもらう。 別の法人なので、同じグループでも委託基準が適用されます(大阪市Q14)。
委託になる場合は、許可業者との書面の契約とマニフェストが必要です。なお大阪市は、公道を通らずに自社工場の敷地内で移すだけなら、法律上の「運搬」には当たらないと案内しています。ただし敷地内でも、自社の焼却施設や脱水施設まで運ぶ作業を他社に任せる場合は、委託基準が適用されるとしています(大阪市Q34)。
運ぶときに守る基準
自ら運ぶときも、産業廃棄物処理基準に従う必要があります(法12条1項、施行令6条1項1号)。
- 飛び散らない・流れ出ないように運び、においや騒音、振動で周りに迷惑をかけないようにします。運搬車や容器も、廃棄物が飛び散ったり、においが漏れたりしないものを使います(施行令3条1号イ・ハの例による)。
- 車体の両側面に表示します。「産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨」と会社名を、見やすい色で書きます。文字の大きさは、運搬車である旨が140ポイント以上、会社名が90ポイント以上です(施行規則7条の2の2第1項・3項)。
- 書面を車に備え付けます。 書面には、会社名と住所、運ぶ産業廃棄物の種類と数量、積んだ日、積んだ事業場の名称・所在地・連絡先、運搬先の事業場の名称・所在地・連絡先を書きます(施行規則7条の2の2第4項、7条の2第3項1号)。
- 石綿を含む産業廃棄物や水銀を使った製品の廃棄物は、割れないよう、またほかの物と混ざらないよう、区分して運びます(施行令6条1項1号ロ)。
特別管理産業廃棄物を運ぶときは、さらに別の基準があります(施行令6条の5)。運ぶ前に自治体に確認してください。基準に合わない運搬をすると、改善命令や措置命令の対象になることがあります(法19条の3・19条の5)。
処分場に持ち込むときの手続き
運ぶのは自社でも、処分を業者に任せれば処分の委託です。
- 処分業者の許可を確かめる。 持ち込む品目が、処分業の許可の範囲に入っているかを確認します(許可証の見方)。
- 処分業者と書面で契約する。 許可証の写しを添付します(施行令6条の2第4号)。収集運搬業者が間に入らないので、契約は処分業者とだけ結びます(委託契約書は必要か)。
- マニフェストを処分業者に交付する。 処分だけを委託するときは、処分を受ける業者に交付します(法12条の3第1項)。書き方はマニフェストの書き方にあります。
- 受け入れの条件を確かめる。 荷姿や搬入の受付などについて、持ち込む前に処分業者に問い合わせておきます。
自社で運んで自社の施設で処分するなら、委託がないためマニフェストは要りません。ただし、処分は産業廃棄物の処理基準に従って行う必要があります。焼却施設などは、規模によって都道府県知事の設置許可も要ります(法12条1項・15条1項)。詳しくはマニフェストが要らないのはどんなときをご覧ください。
途中で積み替え・保管をするとき
運ぶ途中で積み替えや保管をするときにも基準があります。保管できる量は、その場所からの1日あたりの平均搬出量の7日分までです(施行令6条1項1号ハ・ホ)。
建設工事の産業廃棄物を、出た現場の外にある300平方メートル以上の場所で保管するときは、事前に都道府県知事への届出が必要です(法12条3項、施行規則8条の2・8条の2の2)。届出をするのは排出事業者で、建設工事では元請業者がこれに当たります。
運ぶ前の確認リスト
- 運ぶのは自社の廃棄物で、運搬を他社に頼んでいないか
- 車体の両側面に表示があるか
- 種類・数量・積んだ日と場所・運搬先を書いた書面を載せたか
- 処分業者と書面の契約を結び、許可証の写しを添付したか
- 処分業者に渡すマニフェストを用意したか
少量を出すときの方法は少量でも回収を頼めるかにまとめています。がれき類や廃プラスチック類など、品目ごとの単価の目安は各品目のページでご確認いただけます。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法12条・12条の3・14条・15条・19条の3・19条の5(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行令3条・6条・6条の2・6条の5(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行規則7条の2・7条の2の2・8条の2・8条の2の2(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 大阪市 産業廃棄物に関するよくある質問(Q3・Q14・Q34)www.city.osaka.lg.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
関連する品目
このページに出てくる用語
- 自ら運搬(自社運搬)
- 排出事業者が、自社の産業廃棄物を自社の車で運ぶこと。収集運搬業の許可は不要だが、運搬車への表示や書面の備え付けなどの基準は守る必要がある。運び込む先に処分を委託するなら、マニフェストを交付する。
- 特別管理産業廃棄物
- 爆発性・毒性・感染性など、特に注意が必要な産業廃棄物。
- 元請業者
- 発注者から直接建設工事を請け負った建設業者。建設工事から出る廃棄物は、元請業者が排出事業者になる。