事業所が複数あるとき、契約・マニフェスト・報告はどうまとめればいいですか?
委託契約は会社として結び、1通に複数の排出事業場を書くこともできます。マニフェストには廃棄物を出した事業場を書き、交付等状況報告書は事業場ごとに、その所在地の都道府県(政令市・中核市では市)へ出します。多量排出事業者の判定や特別管理産業廃棄物管理責任者の設置も、事業場ごとです。
要点: 廃棄物処理法の義務には、会社単位で考えるものと事業場単位で考えるものがあります。委託契約は会社として結び、1通に複数の事業場をまとめられます。マニフェストの記載、交付等状況報告書、多量排出事業者の判定、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置は、事業場ごとです。
会社単位か、事業場単位か
| 項目 | 単位 | 根拠 |
|---|---|---|
| 委託契約書 | 排出事業者(会社)。複数の事業場を1通にまとめられる | 法12条6項、東京都Q&A問21 |
| マニフェスト | 1枚ごとに、廃棄物を出した事業場の名称・所在地を書く | 施行規則8条の21第1項3号 |
| 交付等状況報告書 | 事業場ごと。所在地の都道府県・政令市・中核市へ | 施行規則8条の27 |
| 多量排出事業者の計画・報告 | 前年度の発生量が1,000トン以上(特別管理産業廃棄物は50トン以上)の事業場ごと | 法12条9・10項、12条の2第10・11項、施行令6条の3・6条の7 |
| 特別管理産業廃棄物管理責任者 | 特別管理産業廃棄物が出る事業場ごと | 法12条の2第8項 |
| 電子マニフェストの義務 | 前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)が50トン以上の事業場 | 施行規則8条の31の2・8条の31の3 |
委託契約を1通にまとめるには
委託契約書は、排出事業者である会社が業者と結びます。東京都のモデル契約書Q&Aでは、排出事業場が複数あるときは、契約書の欄に並べて書くか、排出事業場の一覧を別紙で添付すればよいとされています(問21)。
その場合、収集運搬業者の許可は各事業場がある行政区域ごとに書き、それぞれの許可証の写しを添付します(同)。収集運搬業の許可は、廃棄物を積む区域と降ろす区域の都道府県ごとに必要だからです(法14条1項)。A県の工場とB県の支店から同じ業者に出すなら、その業者が両方の県の許可を持っているかを確かめてください(許可証の見方)。
支店や工場ごとに契約を結んでもかまいません。代表者から契約を結ぶ権限を任されていれば、支店長や工場長の名義・押印でも契約書として有効です(東京都Q&A問11)。
子会社・グループ会社の扱い
親会社と子会社は、別々の排出事業者です。京都市は、親会社が子会社の産業廃棄物の委託契約を結ぶことはできず、子会社が自ら契約する必要があると案内しています(Q5-1-4)。
例外として、親会社が子会社の株式をすべて持つなど一体的に経営している会社どうしは、共同で都道府県知事の認定を受ければ、グループ内の廃棄物をまとめて処理できます(法12条の7)。認定を受けていなければ、契約もマニフェストも会社ごとに分けてください。
マニフェストと報告書の単位
マニフェストには「産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地」を記載します(施行規則8条の21)。1枚ごとに出した事業場を書くため、事業場が違う廃棄物は1枚にまとめず、事業場ごとに分けて交付します。交付等状況報告書も事業場ごとに作るので、控えも事業場ごとに分けて保存しておくと集計しやすくなります。
交付等状況報告書は事業場ごとに作り、毎年6月30日までに、それぞれの所在地の都道府県(政令市・中核市では市)へ提出します。ただし、建設工事の現場のように短期間だけ置かれる事業場や、所在地が一定しない事業場は、同じ都道府県(政令市・中核市ではその市)の中に二つ以上あれば、まとめて一つの事業場として報告します(施行規則8条の27)。書き方は交付等状況報告書の書き方と提出で説明しています。
電子マニフェストで登録した分は情報処理センターが都道府県等に報告するため、この報告書は不要です(法12条の5第9項)。JWNETには、本社・支店・営業所など、排出事業者が任意の単位で加入できます。始め方は電子マニフェストを始めるにはにまとめています。
工事現場の外で保管するとき
建設工事で出た産業廃棄物を、出した現場の外にある300平方メートル以上の場所で自ら保管するときは、前もって都道府県知事への届出が必要です(法12条3項、施行規則8条の2〜8条の2の2)。複数の現場の廃棄物を自社の置き場に集める場合などが、これに当たります。保管の決まりは保管場所の掲示板の書き方もあわせてご覧ください。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法12条3・9・10項、12条の2第8・10・11項、12条の3、12条の5、12条の7、14条1項(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行令6条の3・6条の7(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行規則8条の2〜8条の2の6・8条の21・8条の27・8条の31の2・8条の31の3(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 東京都環境局 産業廃棄物処理委託モデル契約書Q&A(令和6年4月5日更新)問11・問21www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp
- 京都市 産廃Q&A 5-1-4(親会社が子会社の委託契約を結べるか)sanpai.city.kyoto.lg.jp
- JWNET利用料金(排出事業者の加入単位)www.jwnet.or.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
このページに出てくる用語
- 交付等状況報告書
- 紙マニフェストを交付した排出事業者が、前年度分の交付状況を毎年6月30日までに都道府県などへ提出する報告書。電子マニフェストの分は不要。
- 多量排出事業者
- 前年度に産業廃棄物を1,000トン以上(特別管理産業廃棄物は50トン以上)出した事業場を持つ事業者。毎年6月30日までに処理計画と実施状況報告を出す。
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
- 特別管理産業廃棄物を出す事業場ごとに置く責任者。資格の要件が施行規則で決まっている。
- 委託契約書
- 処理を委託する前に、収集運搬業者・処分業者それぞれと書面で結ぶ契約。
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)
- 産業廃棄物の処理を委託するとき、排出事業者が交付し、処理の流れを確かめるための伝票。
- 電子マニフェスト
- マニフェストのやり取りを、JWNETを使ってオンラインで行う仕組み。