特別管理産業廃棄物管理責任者は、誰がなれますか?
施行規則8条の17の資格を持つ人がなれます。感染性産業廃棄物を出す事業場では医師・看護師・臨床検査技師などの資格、それ以外の特別管理産業廃棄物では学歴と廃棄物処理の実務経験の組合せ(実務10年以上など)が要件です。広島市・さいたま市などは、日本産業廃棄物処理振興センターの講習の修了者も資格者として認めています。
要点: 特別管理産業廃棄物を出す事業場には、事業場ごとに管理責任者を置かなければなりません(法12条の2第8項)。なれるのは、施行規則8条の17の資格を持つ人だけです(同条9項)。資格の要件は、感染性産業廃棄物を出す事業場かどうかで分かれます。
置かなければならない事業者
特別管理産業廃棄物を出す事業場を持つ事業者は、事業場ごとに管理責任者を置きます。事業者自身が管理責任者となる事業場では、別に置く必要はありません(法12条の2第8項ただし書)。置かなかった場合の罰則は、30万円以下の罰金です(法30条5号)。
事業場で出やすい特別管理産業廃棄物には、次のようなものがあります。
- 医療機関などの感染性廃棄物
- 揮発油類・灯油類・軽油類の廃油(施行令2条の4第1号、施行規則1条の2第1項)
- pH 2.0以下の廃酸、pH 12.5以上の廃アルカリ(施行規則1条の2第2項・3項)
- PCB廃棄物、吹付け石綿などの廃石綿等
感染性産業廃棄物を出す事業場の資格
施行規則8条の17第1号が定める、次のいずれかに当たる人です。
- 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師、歯科衛生士
- 環境衛生指導員の経験が2年以上ある人
- 大学・高等専門学校などで、医学・薬学・保健学・衛生学・獣医学の課程を修めて卒業した人、またはこれと同等以上の知識があると認められる人
医師などの資格で認められるのは、感染性産業廃棄物の管理についてだけです。大阪市は、引火性の廃油や廃酸なども出す医療機関では、感染性以外の特別管理産業廃棄物の資格(下の表)も必要だと案内しています。扱いは、事業場のある自治体に確認してください。
それ以外の特別管理産業廃棄物の資格
施行規則8条の17第2号が定める、学歴と「廃棄物の処理に関する技術上の実務」の年数の組合せです。
| 卒業した学校と課程 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 大学の理学・薬学・工学・農学の課程で、衛生工学か化学工学の科目を修めた | 2年以上 |
| 大学の理学・薬学・工学・農学などの課程で、上記以外の科目を修めた | 3年以上 |
| 短期大学・高等専門学校などの理学・薬学・工学・農学などの課程で、衛生工学か化学工学の科目を修めた | 4年以上 |
| 短期大学・高等専門学校などの理学・薬学・工学・農学などの課程で、衛生工学・化学工学以外の科目を修めた | 5年以上 |
| 高等学校などで、土木科・化学科などを修めた | 6年以上 |
| 高等学校などで、理学・工学・農学の科目などを修めた | 7年以上 |
| 学歴を問わない | 10年以上 |
ほかに、環境衛生指導員の経験が2年以上ある人と、これらと同等以上の知識があると認められる人もなれます。
講習を修了した人
「同等以上の知識があると認められる人」に誰が当たるかは、自治体が判断します。広島市と岡崎市は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの「特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」の修了者を認めると案内しています。さいたま市は、感染性産業廃棄物以外の特別管理産業廃棄物を出す事業場について、この講習会の修了者を認めています。感染性産業廃棄物を出す病院・診療所・衛生検査所などの医療機関等については、同センターの「医療関係機関等を対象にした特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」の修了者を認めています(広島市、さいたま市)。
学歴や実務経験で要件を満たさない人は、どの講習が認められるかを事業場のある自治体に確認してから受講してください。
管理責任者の仕事
法律は、管理責任者の仕事の中身を細かく定めていません。さいたま市は、たとえば次のような役割を挙げています。
- 特別管理産業廃棄物の排出量を把握する
- 処理の計画を立てる
- 保管状況を確認し、委託先を選んで適正に委託し、マニフェストを交付する
保管場所には、特別管理産業廃棄物用の掲示板を設け、ほかの物が混ざらないように仕切ります(施行規則8条の13。保管場所の掲示板)。特別管理産業廃棄物を出す事業者には、運搬・処分の記録を帳簿に付ける義務もあります(法12条の2第14項、施行規則8条の18)。
置いたときの届出は必要か
廃棄物処理法には、管理責任者を置いたことを届け出る規定はありません。ただし、さいたま市は、設置・変更・廃止から30日以内に報告するよう求めています。岡崎市は、特別管理産業廃棄物を出す事業場の設置報告に管理責任者の氏名と資格の記載を求めており、提出期限は設置・変更から30日以内です。報告の要否と様式は、事業場のある都道府県・政令市に確認してください。
根拠と確認先
このページで説明した制度や数字の根拠となる資料です。
- 廃棄物処理法12条の2・30条(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行令2条の4(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 廃棄物処理法施行規則1条の2・8条の13・8条の17・8条の18(e-Gov)laws.e-gov.go.jp
- 広島市 特別管理産業廃棄物管理責任者の資格要件(資料)www.city.hiroshima.lg.jp
- さいたま市 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置www.city.saitama.lg.jp
- 岡崎市 特別管理産業廃棄物を生ずる事業場の設置の報告等www.city.okazaki.lg.jp
- 大阪市 産業廃棄物に関するよくある質問(Q100)www.city.osaka.lg.jp
運用は都道府県や市区町村によって異なる場合があります。個別のケースは、事業所のある自治体の担当窓口にご確認ください。
関連する品目
このページに出てくる用語
- 特別管理産業廃棄物
- 爆発性・毒性・感染性など、特に注意が必要な産業廃棄物。
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
- 特別管理産業廃棄物を出す事業場ごとに置く責任者。資格の要件が施行規則で決まっている。
- PCB廃棄物
- PCB(有害物質)を含む古い変圧器・コンデンサ・安定器などの廃棄物。処分期限があり、通常の産廃業者には委託できない。
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)
- 産業廃棄物の処理を委託するとき、排出事業者が交付し、処理の流れを確かめるための伝票。