物流倉庫・小売店から出るパレット・梱包材・什器の処分と費用
倉庫や小売店からは、壊れたパレット、ストレッチフィルム、発泡スチロール、段ボール、入れ替えた什器などが毎月出ます。パレットは業種を問わず産業廃棄物、段ボールは事業系一般廃棄物と、区分が分かれます。分け方、保管の決まり、費用の想定例をまとめました。
想定している読者: 物流倉庫・配送センターの管理者、スーパー・ドラッグストア・量販店などの店長、本部の総務・設備担当の方
出る物と区分
同じ場所から出る物でも、産業廃棄物、事業系一般廃棄物、別の法律の仕組みで扱う物に分かれます。区分が違えば、依頼できる業者の許可も、必要な書類も変わります。
- 木製パレット・積付けに使った当て木や桟木 産業廃棄物
貨物の流通に使ったパレットと、積付けに使った梱包用の木材は、業種を問わず産業廃棄物(木くず)です。
レンタルのパレットは処分せず、貸主に返します。
詳しく見る - プラスチック製のパレット・折りたたみコンテナ 産業廃棄物
廃プラスチック類です。
詳しく見る - ストレッチフィルム・PPバンド・緩衝材のエアキャップ 産業廃棄物
廃プラスチック類です。業種を問わず産業廃棄物です。
種類ごとに分けて汚れを少なくすると、固形燃料やリサイクルに回せて単価が下がることがあります。
詳しく見る - 発泡スチロールの箱・緩衝材 産業廃棄物
廃プラスチック類です。軽くてかさばるので、容積で見積もる業者もあります。
詳しく見る - 段ボール・紙の伝票・紙の販促物 事業系一般廃棄物
紙くずが産業廃棄物になるのは一部の業種だけで、倉庫や小売店から出る物は事業系一般廃棄物です。
段ボールは古紙として0円や有価で引き取ってもらえることがあります。古紙など、専ら再生利用の目的となる物だけを運ぶ業者は、収集運搬の許可が要りません。
詳しく見る - 金属の棚・ラック・カゴ台車・陳列什器 産業廃棄物
金属くずです。樹脂や木と組み合わさった什器は、金属くず・廃プラスチック類などの混合物です。
金属だけでまとまった量があれば、0円や買取になることがあります。
詳しく見る - 木製の棚・陳列台(パレット以外) 業種・状態で変わる
木くずが産業廃棄物になるのは一部の業種だけで、倉庫業・小売業から出る木製の什器は、多くの場合、事業系一般廃棄物です。
店舗の内装工事で外す造作は、工事の元請業者の廃棄物です。
詳しく見る - 期限切れ・返品の食品 業種・状態で変わる
食品の中身は事業系一般廃棄物です。包装のプラスチックは廃プラスチック類で、包装ごと出すときの扱いは市区町村と処理業者に確認してください。
詳しく見る - 破損品・返品の雑貨・日用品 業種・状態で変わる
素材で区分が決まります。プラスチック・ゴム・金属・ガラス・陶磁器の製品は産業廃棄物、紙・木・布の製品は事業系一般廃棄物です。
転売を防ぎたいときは、破砕などの処分方法を契約書に明記してもらってください。荷主から預かっている商品を処分するときは、排出事業者が荷主か倉庫の運営会社かで契約やマニフェストの名義が変わります。荷主と取り決めたうえで、都道府県・政令市に確認してください。
- 蛍光灯・水銀灯 産業廃棄物
水銀使用製品産業廃棄物です。割らないようにして、ほかの物と分けて出してください。
詳しく見る - 業務用の冷蔵・冷凍ショーケース、業務用エアコン 別の仕組み
冷媒にフロン類を使う業務用の機器は、フロン排出抑制法の第一種特定製品です。フロン類を回収してから本体を産業廃棄物として出します。
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区分は、廃棄物処理法とその施行令で定める品目によります。業種が限られる品目や混ざった物の扱いは、自治体によって運用が違うことがあります。事業所のある自治体に確認してください。
費用の考え方と想定例
費用は大きく「収集運搬費(車両1台ごと)」と「処分費(品目の単価×量)」に分かれます。ここでは、品目ページに載せている処分単価の幅に仮の量を掛けた想定例を示します。実際の事例ではありません。
- 4t車: 18,000〜35,000円
関東の処理業者が公開している料金表から、車種ごとの料金(多くは「○円〜」と書かれた最低料金)の幅をまとめたものです。距離や積込みにかかる時間、階段での作業の有無によっては、これより高くなることがあります。
想定例1: 物流倉庫で月1回まとめて出す
- 壊れた木製パレット・当て木 約600 kg 木製パレット 15〜50円/kg × 600kg 9,000〜30,000円
- ストレッチフィルム・PPバンド 約300 kg 廃プラスチック類 25〜100円/kg × 300kg 7,500〜30,000円
- 発泡スチロールの箱・緩衝材 約4 m³ 発泡スチロール 3,000〜6,000円/m³ × 4m³ 12,000〜24,000円
- 収集運搬費(4t車・1台) 18,000〜35,000円/台 × 1台 18,000〜35,000円
- 処分費
- 28,500〜84,000円
- 収集運搬費
- 18,000〜35,000円
- 合計の目安
- 46,500〜119,000円
1か月分の想定です。段ボールは古紙として別に出す前提で入れていません。フィルムが汚れていたり、ほかの物と混ざったりすると、単価は幅の上限寄りになります。
想定例2: 小売店で陳列什器を入れ替える
- 金属・樹脂の陳列棚・ゴンドラ 約5 m³ オフィス家具・店舗什器 7,900〜15,000円/m³ × 5m³ 39,500〜75,000円
- 新しい什器の梱包材(フィルム・緩衝材)約2 m³ 廃プラスチック類 4,000〜18,000円/m³ × 2m³ 8,000〜36,000円
- 売場の蛍光灯(直管)30本 蛍光灯・水銀使用製品 60〜300円/本 × 30本 1,800〜9,000円
- 収集運搬費(4t車・1台) 18,000〜35,000円/台 × 1台 18,000〜35,000円
- 処分費
- 49,300〜120,000円
- 収集運搬費
- 18,000〜35,000円
- 合計の目安
- 67,300〜155,000円
店舗が自分で取り外して出す物だけを想定しています。什器の解体・搬出の作業費は入れていません。木製の什器や段ボールなどの事業系一般廃棄物は、料金の決まり方が違うため入れていません。
量と車両の台数は仮の数字です。搬出の作業費・養生費、マニフェストの費用、産業廃棄物税、消費税は含めていません。単価の出典は、各品目のページに載せています。
回収を頼むまでの手順
- 出る物を、産業廃棄物と事業系一般廃棄物に分けます。 パレット・フィルム・発泡スチロール・金属の什器は産業廃棄物、段ボールや紙、食品の中身は事業系一般廃棄物です(違いの説明)。
- 月ごとの量と荷姿を書き出します。 パレットは枚数、フィルムは袋の数、発泡スチロールは容積など、数え方をそろえておくと見積りを比べやすくなります。
- 区分ごとに依頼先を探します。 産業廃棄物は、その品目の許可を持つ産業廃棄物処理業者に頼みます。事業系一般廃棄物は、市区町村の許可を持つ一般廃棄物の収集運搬業者に頼むか、市区町村の施設へ持ち込みます。
- 産業廃棄物は、収集運搬業者・処分業者のそれぞれと書面で契約します。 許可証の写しを契約書に付けます(委託契約書は必要か)。
- 引き渡すたびにマニフェストを交付し、返ってきた写しを5年保存します。 段ボールや食品の中身などの事業系一般廃棄物には、マニフェストは要りません。金属の棚をくず鉄として専門の回収業者に出すときなど、産業廃棄物でも専ら物として出せばマニフェストが要らない場合があります(マニフェストが要らないとき)。
区分で迷いやすい物
パレットは業種を問わず産業廃棄物
木くずが産業廃棄物になるのは一部の業種だけなので、倉庫業や小売業から出る木製品は、ふつうは事業系一般廃棄物です。ただし、貨物の流通に使ったパレットと、積付けに使った梱包用の木材は、どの業種から出ても産業廃棄物です(廃棄物処理法施行令2条2号)。
同じ木製品でも、パレットと木製の棚では区分が違います。まとめて出すときは両方あることを業者に伝え、許可の範囲に入るかを確かめてください。
段ボールは事業系一般廃棄物
紙くずが産業廃棄物になるのは、建設業(工作物の新築・改築・除去)、紙の製造・加工、新聞・出版・製本・印刷物加工の業種に限られます(同施行令2条1号)。倉庫や小売店から出る段ボールは、事業系一般廃棄物です。
一般廃棄物の収集運搬には、市町村長の許可が要ります。ただし、専ら再生利用の目的となる物だけを運ぶ業者は許可が要りません(廃棄物処理法7条1項)。段ボールを古紙として引き取る業者は、これに当たることがあります。
産業廃棄物と事業系一般廃棄物は許可が別
産業廃棄物の収集運搬は都道府県知事の許可(同法14条1項)、一般廃棄物の収集運搬は市町村長の許可(同法7条1項)です。両方を1台にまとめて回収してもらうなら、その業者が両方の許可を持っているかを確かめてください。
気をつける法令
倉庫で保管するときの決まり
回収まで産業廃棄物を置いておくときは、保管基準を守ります(同法12条2項)。保管場所の周囲に囲いを設け、縦横60 cm以上の掲示板に、産業廃棄物の保管場所であること、種類、管理者の名称と連絡先を書きます(同法施行規則8条)。
屋外で容器に入れずに積み上げるときは高さに上限があり、積み上げられる最高の高さも掲示板に書きます。フィルムや発泡スチロールは風で飛びやすいので、飛散しないよう対策してください。詳しくは回収までの保管にまとめています。
プラスチック資源循環促進法
プラスチック使用製品産業廃棄物等を出す事業者は、排出の抑制と再資源化に取り組むよう求められています(プラスチック資源循環促進法44条)。ただし、小規模企業者等は対象外です。環境省は、商業・サービス業なら従業員5人以下、それ以外の業種なら20人以下の会社などと案内しています。
前年度のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量が250 t以上の事業者は多量排出事業者で、取組が著しく不十分なときは主務大臣の勧告の対象になります(同法46条)。フィルムやバンドを種類ごとに分けて出すことが、取組の第一歩です。
食品廃棄物が多い小売業
食品の小売業は食品リサイクル法の食品関連事業者です(食品リサイクル法2条4項)。前年度の食品廃棄物等の発生量が100 t以上の事業者は、毎年度、発生量と再生利用等の状況を主務大臣に報告します(同法9条、同法施行令4条)。
フランチャイズの本部は、約款に加盟店の食品廃棄物の処理についての定めがあれば、加盟店の分も発生量に含めます(同法9条2項)。
費用を抑えるには
- レンタルのパレットを混ぜないようにします。 貸主に返す物なので、処分するパレットと分けて置きます。
- フィルム・バンド・発泡スチロールを分けます。 きれいな物を種類ごとにまとめると、固形燃料やリサイクルに回せて単価が下がることがあります(分別すると処分費はどれくらい下がるか)。
- 段ボールと金属は買い取ってくれる先を探します。 量がまとまれば0円や買取になることがあります。「買取」といっても、運賃を差し引くと実際にはこちらが支払う形になる場合は、廃棄物として扱われることがあります(逆有償)。
- 回収の回数と車の大きさを見直します。 運搬費は1台・1回ごとにかかるので、保管基準を守れる範囲で回数をまとめると下がります。
関連する品目・疑問・用語
品目別の費用
よくある疑問
- 事業系一般廃棄物と産業廃棄物は何が違うのですか?
- 回収まで、産業廃棄物を敷地内でどう保管すればいいですか?
- 分別すると処分費はどれくらい下がりますか?
- 見積りの単位(kg・m³・台)が業者ごとに違います。どう比べればいいですか?
- 産業廃棄物の委託契約書は必要ですか?何を書けばいいですか?
- マニフェストが要らないのはどんなときですか?(専ら物・広域認定など)
- 無許可業者や「無料回収」の業者はどう見分ければいいですか?
- 少量でも回収を頼めますか?2t車1台だといくらくらいですか?
用語
ほかの場面
見積りを依頼するときは
出る物が複数あるときは、品目で「複数品目・わからない」を選んでください。補足欄には、出る物の一覧とおおよその量、搬出の条件(階数・エレベーターの有無・車両を停める場所)をお書きください。業者から連絡があったときにすぐ送れるよう写真を用意しておくと、話が早く進みます。処理そのものは当サイトでは請け負わず、許可を持つ処理業者へおつなぎします。
無料で見積りを依頼このページの費用は目安です。法令の記述は、条文と環境省・自治体の公開情報をもとにしています。個別のケースの判断は、所管の自治体と委託先の業者に確認してください。