場面別

店舗の閉店・改装で出る廃棄物の処分と費用

閉店や改装では、什器・厨房機器・冷蔵設備・油・生ごみなど区分の異なる物が一度に出ます。内装工事で出る物は工事の元請業者が、店が自分で出す物は店が処理の責任を負います。分け方、飲食店で迷いやすい物、費用の想定例をまとめました。

想定している読者: 飲食店・物販店のオーナーや店長、店舗の閉店・改装を担当する本部の方

出る物と区分

同じ場所から出る物でも、産業廃棄物、事業系一般廃棄物、別の法律の仕組みで扱う物に分かれます。区分が違えば、依頼できる業者の許可も、必要な書類も変わります。

  • 金属・樹脂の陳列棚・ハンガーラック・客席の椅子とテーブル 産業廃棄物

    金属くず・廃プラスチック類と、その混合物です。

    状態がよければ、処分する前に買取の見積りを取ることをおすすめします。

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  • ステンレスの作業台・シンク(金属だけの物) 産業廃棄物

    金属くずです。

    金属だけにそろえて量がまとまれば、0円や買取になることがあります。

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  • ガス台・フライヤー・食器洗浄機などの厨房機器 産業廃棄物

    金属くず・廃プラスチック類などの混合物です。フロンを使っていない機器は、フロン類の回収をせずに産業廃棄物として出せます。フライヤーの油は抜いて、廃油として別に出します。

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  • 木製の陳列台・棚(什器として外す物) 業種・状態で変わる

    木くずは産業廃棄物になる業種が限られる品目のため、多くの店舗では事業系一般廃棄物になります。

    壁や床に付いた造作を内装工事で外す場合は、工事の元請業者の廃棄物です。

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  • 生ごみ・調理くず 事業系一般廃棄物

    事業系一般廃棄物です。動植物性残さが産業廃棄物になるのは食料品製造業などに限られ、飲食店は含まれません。

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  • 廃食用油 産業廃棄物

    廃油は業種を問わず産業廃棄物です。

    再生に回せるきれいな油なら、0円や買取で引き取る業者もあります。

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  • グリストラップの油脂・汚泥 産業廃棄物

    汚泥(油分が多ければ汚泥と廃油の混合物)として、産業廃棄物処理業者に頼みます。

    野菜くずなどが多く混ざると扱いが変わると案内している市もあります(下の本文)。

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  • 業務用の冷蔵庫・冷凍ショーケース・業務用エアコン 別の仕組み

    冷媒にフロン類を使う業務用の機器は、フロン排出抑制法の第一種特定製品です。銘板で冷媒の種類を確認し、フロン類を回収してから本体を産業廃棄物として出します。

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  • 家庭用のエアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機 別の仕組み

    店で使っていても、家庭用の機種なら家電リサイクル法の対象です。

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  • 梱包のフィルム・発泡スチロール・プラスチック容器 産業廃棄物

    廃プラスチック類です。

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  • 段ボール・紙の販促物 事業系一般廃棄物

    紙くずは産業廃棄物になる業種が限られる品目のため、店舗から出る物は事業系一般廃棄物です。

    段ボールは古紙として0円や有価で引き取られることがあります。

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  • 蛍光灯・水銀灯 産業廃棄物

    水銀使用製品産業廃棄物です。割らずに、ほかの物と分けて出します。

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  • 消火器 別の仕組み

    産業廃棄物ですが、メーカーによるリサイクルの仕組み(リサイクルシール)を使って出せます。

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  • 内装工事で外す床・壁・天井・造作 工事の元請業者が処理

    内装工事を頼んだ場合、工事で出る廃棄物は工事の元請業者が排出事業者として処理します。

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区分は、廃棄物処理法とその施行令で定める品目によります。業種が限られる品目や混ざった物の扱いは、自治体によって運用が違うことがあります。事業所のある自治体に確認してください。

費用の考え方と想定例

費用は大きく「収集運搬費(車両1台ごと)」と「処分費(品目の単価×量)」に分かれます。ここでは、品目ページに載せている処分単価の幅に仮の量を掛けた想定例を示します。実際の事例ではありません。

収集運搬費の目安(1台・1回)
  • 4t車: 18,000〜35,000円
  • 2t車: 15,000〜30,000円

関東の処理業者が公開している料金表から、車種ごとの料金(多くは「○円〜」と書かれた最低料金)の幅をまとめたものです。距離や積込みにかかる時間、階段での作業の有無によっては、これより高くなることがあります。

想定例1: 飲食店を閉める(客席の什器・厨房機器・冷蔵庫・油)

  • 金属・樹脂の椅子・テーブル・棚 約4 m³ オフィス家具・店舗什器 7,900〜15,000円/m³ × 4m³ 31,600〜60,000円
  • 金属だけに分けたステンレスの作業台・シンク 約300 kg 金属くず 0〜40円/kg × 300kg 0〜12,000円
  • 業務用冷蔵庫のフロン回収2台 業務用エアコン・冷凍冷蔵機器 15,000〜30,000円/台 × 2台 30,000〜60,000円
  • 業務用冷蔵庫の本体2台 約200 kg 業務用エアコン・冷凍冷蔵機器 0〜110円/kg × 200kg 0〜22,000円
  • 廃食用油 一斗缶2缶(約36 L) 廃油 25〜100円/L × 36L 900〜3,600円
  • 収集運搬費(4t車・1台) 18,000〜35,000円/台 × 1台 18,000〜35,000円
処分費
62,500〜157,600円
収集運搬費
18,000〜35,000円
合計の目安
80,500〜192,600円

生ごみ・木製の什器などの事業系一般廃棄物と、グリストラップの清掃は、料金の決まり方が異なるため入れていません。冷蔵庫の取り外し工事や、厨房機器の配管・ガスの取り外しの費用も含みません。

想定例2: 物販店を改装する(店が自分で出す什器と照明)

  • 金属・樹脂の陳列棚・ハンガーラック 約6 m³ オフィス家具・店舗什器 7,900〜15,000円/m³ × 6m³ 47,400〜90,000円
  • 蛍光灯(直管)40本 蛍光灯・水銀使用製品 60〜300円/本 × 40本 2,400〜12,000円
  • 収集運搬費(2t車・2台) 15,000〜30,000円/台 × 2台 30,000〜60,000円
処分費
49,800〜102,000円
収集運搬費
30,000〜60,000円
合計の目安
79,800〜162,000円

床・壁・天井などの内装材は工事の元請業者が処理するため、店の費用の例には入れていません。

量と車両の台数は仮の数字です。搬出の作業費・養生費、マニフェストの費用、産業廃棄物税、消費税は含めていません。単価の出典は、各品目のページに載せています。

閉店・改装の進め方

  1. 工事で出る物と、店が自分で出す物を分けます。 内装工事を頼む場合、工事で出る廃棄物は工事の元請業者が処理します。店に残した什器・備品は店の廃棄物なので、工事の前にすべて搬出します。
  2. 売る物・譲る物を先に分けます。 厨房機器や陳列什器は、処分ではなく買取になることがあります。リースの機器は契約先に返します。
  3. 捨てる物を区分ごとに分けます。 産業廃棄物・事業系一般廃棄物・別の仕組みで出す物に分かれます(上の一覧)。油や生ごみは傷みやすいため、最終営業日より前に回収の段取りをつけておきます。
  4. 区分ごとに頼み先を決めて、見積りを取ります。 産業廃棄物は都道府県の許可、事業系一般廃棄物は市町村の許可を持つ業者に頼みます。商業施設内の店舗は、搬出口・作業時間・台車の使用ルールを施設に確認し、見積りの際に業者へ伝えます。
  5. 産業廃棄物は書面で契約し、マニフェストを交付します。 回収まで店内や敷地に置くときは、保管基準を守ります。
  6. 書類を5年保存します。 委託契約書は契約が終わった日から5年、マニフェストの写しは5年保存します。閉店した後も、保存期間が終わるまでは保管が必要です。

飲食店で迷いやすい物

生ごみ・調理くず

飲食店の生ごみは事業系一般廃棄物です。食品の残りかすが産業廃棄物(動植物性残さ)になるのは、食料品製造業・医薬品製造業・香料製造業で原料として使った物に限られます(廃棄物処理法施行令2条4号)。市町村の許可業者に頼むか、市町村が案内する出し方に従います。

廃食用油

廃油は、業種を問わず産業廃棄物です(廃棄物処理法2条4項1号)。揚げ油の廃油も、産業廃棄物の許可を持つ業者に頼みます。再生に回せる油は、0円や買取で引き取られる例もあるので、量と状態を伝えて見積りを取ります。

グリストラップの油脂・汚泥

福岡市は、グリストラップで集めた油脂と汚泥を産業廃棄物としています。家庭ごみや事業系一般廃棄物としては出せないため、産業廃棄物処理業者に頼むよう案内しています。

柏市は、油分がおおむね5%以上なら汚泥と廃油の混合物、5%未満なら汚泥としています。野菜くずなどが相当量混ざる場合、飲食店から出る物は一般廃棄物との混合物になるとも示しています。細かい扱いは、店のある市町村に確認してください。

閉店時は、最後の清掃で汲み取った分も含めて回収を頼みます。清掃の費用は、槽の大きさとたまった量で決まるため、この場面の想定例には入れていません。

改装工事との分け方

工事で出る物と店に残した物

内装工事で出る廃棄物は、発注者から直接工事を請け負った元請業者が排出事業者として処理します。下請業者が作業しても同じです(廃棄物処理法21条の3)。処分費を工事の見積書に含めるか別に書くかは業者によって違うため、見積書に処分費が入っているかを確認してください。

一方、店が残した什器・備品は「残置物」で、処理の責任は残した側にあります。環境省は2018年6月22日の通知で、解体工事に限らず、リフォームなどの工事でも同じ考え方だと示しています。また、残置物が一般廃棄物に当たる場合、産業廃棄物の許可だけでは処理を引き受けられないとしています。

石綿(アスベスト)の事前調査

内装の解体・改修工事では、規模にかかわらず、工事の前に元請業者が石綿の有無を調べ、発注者に書面で説明します(大気汚染防止法18条の15)。発注者には、この調査の費用を適正に負担するなどの協力が求められます。古い建物に入っている店舗では、見積りの段階で調査の費用が含まれているかを確認してください。報告が要る工事の規模と、除去した石綿の扱いは解体・リフォーム工事のページにまとめています。

冷蔵設備と家電

業務用の冷蔵庫・冷凍ショーケース・業務用エアコンは、廃棄する前に、機器の管理者がフロン類を第一種フロン類充塡回収業者に引き渡します(フロン排出抑制法41条)。法律でいう「管理者」とは、機器の所有者など、使用を管理する責任を持つ人のことです。貸主の設備やリースの機器は、外す前に誰が管理者かを確認しておきます。手順と書類は業務用エアコン・冷凍冷蔵機器のページにまとめています。

バックヤードで使っていた家庭用のエアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機は、店で使っていても家電リサイクル法の対象です(神奈川県の案内)。出し方は、購入した店や買い替え先の店に引取りを頼むか、自分で指定引取場所に持ち込むか、産業廃棄物の収集運搬業者に指定引取場所まで運んでもらうかのいずれかです。産業廃棄物の収集運搬業者に指定引取場所までの運搬を頼む場合はマニフェストが要りますが、販売店やその委託を受けた業者に渡す場合は要りません。

費用を抑えるには

  • まず買取を検討します。 厨房機器や陳列什器は、処分より先に買取の見積りを取ります。
  • 金属だけの物を分けます。 ステンレスの厨房機器やスチールの棚は、金属くずとしてそろえると処分費が下がりやすくなります(分別すると処分費はどれくらい下がるか)。
  • 搬出の回数を減らします。 運搬費は車両1台・1回ごとにかかります。冷蔵庫のフロン回収と本体の引取りを同じ日にできるかも確かめます。
  • 工事の見積りとの重複を避けます。 工事の元請業者が処理する物と、店が別に頼む物を見積書で分け、同じ物の処分費を二重に払わないようにします。

出典

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よくある疑問

用語

ほかの場面

見積りを依頼するときは

内装・原状回復工事で出る物は、工事の元請業者が処理します。ご依頼の際は、店に残した什器・備品だけをご記入ください。

出る物が複数あるときは、品目で「複数品目・わからない」を選んでください。補足欄には、出る物の一覧とおおよその量、搬出の条件(階数・エレベーターの有無・車両を停める場所)をお書きください。業者から連絡があったときにすぐ送れるよう写真を用意しておくと、話が早く進みます。処理そのものは当サイトでは請け負わず、許可を持つ処理業者へおつなぎします。

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このページの費用は目安です。法令の記述は、条文と環境省・自治体の公開情報をもとにしています。個別のケースの判断は、所管の自治体と委託先の業者に確認してください。

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